ラム肉の脂で腸閉塞!?胃もたれの原因?間違った知識をジンギスカンのプロが一刀両断!

「ジンギスカンの脂は融点が高く体温で溶けないため、お腹の中で固まってしまう…」「ビールと合わせるなんてもってのほか!」なんて話を聞いたことがありませんか?

お腹で油が固まる、なんて話を聞いたらなんだか身構えてしまいますよね。
溶けずに胃の中に残り続けるんだろうか?もしかして腸に詰まって腸閉塞の原因にも?と考えるとおちおち食事も楽しめません。

そこで今回はラム肉の脂について詳しく見ていきましょう。

目次

ラムの脂はお腹で固まる?

ラムの脂はお腹の中で固まってしまう。

これ実は本当なんです。

えっ!と思った方、ご安心ください。健康面では全く問題ないんです。

でもお腹の中で固まるというだけでちょっと不安になりますよね。きちんとご説明していきますね。

固まるのはどうして?

お料理した後や食事の後のお皿に脂が白く固まっていることがありますよね。

他の液体と同様に脂には融点があり、それを下回ると固まり、上回ると液体になります。

油といえばオリーブオイルやサラダ油もありますが、こちらは融点が-0℃前後なので常温では液体です。

一方お肉の脂の融点は常温より高め。それで固まってしまうんですね。

それではそのお肉の中でもなぜラムの脂はお腹の中で固まると言われるのでしょうか。

やはりここでも融点がネック。お腹の中で固まるということはお腹の中の温度と関係します。

人の体内の温度は37℃程度。体温よりも1℃ほど高いと言われています。

ではお肉の脂の融点をに見ていきましょう。

  • 鶏・・・30〜32℃
  • 馬・・・30〜43℃
  • 豚・・・33〜46℃
  • 牛・・・40〜50℃
  • 羊・・・44〜55℃

いかがでしょうか。
羊肉の脂は他のお肉と比べ融点がだいぶ高いですよね。

そしてお腹の中の温度は37℃。お腹の中でも固まってしまいます。

これがラム肉の脂がお腹の中で固まるという噂の真実です。

固まるとどうなるの?

さて、ジンギスカンの脂がお腹で固まってしまうのはお分かりいただけたかと思います。

ではその固まった脂はどうなるのでしょうか。本当にお腹の中で詰まってしまうのでしょうか?

大丈夫、きちんと消化できます。

脂を分解・消化するのは酵素

食べ物は口から入り咀嚼され、飲み込まれることで胃の中に落ちていきます。

その際炭水化物は唾液で、タンパク質は胃液で分解されます。

ですが脂だけは口内でも胃の中でも分解されることはありません。

ではどこに行くのか?正解は十二指腸です。

脂が十二指腸に送られると、胆嚢が胆汁酸を分泌します。この胆汁酸は脂質を乳化してくれます。

乳化された脂質は膵臓から分泌されるリパーゼにより、分解されます。

このリパーゼは太田胃酸などの胃薬にも脂肪を消化する酵素として含まれていますので、お手持ちの胃薬の裏面をチェックしてみましょう。

温度にかかわらず脂は酵素の力できちんと分解・吸収されますので安心してくださいね。

おまけの豆知識

消化吸収できない魚・バラムツ

美味しいけど絶対に食べてはいけないお魚・バラムツをご存知ですか?一時期話題になったこともあるので一度は耳にしたことがあるのではないかと思います。
体は40%近くを脂が占めており、その脂によって浮力を得ています。
脂が多くて消化しきれないから食べてはいけない!ということではなく、本当に人の体では一切消化できないのです。
その脂の成分は「ワックスエステル」と呼ばれ、蝋に近い性質を持ちます。
そんな脂を食べてしまうと、消化吸収されることなく排出されます。
そう聞くとバリウムなどと同じではないか!と感じるかもしれませんが、バラムツは違います。消化吸収されなかった脂は便意のないままお尻から溢れ出します。自分の意志とは関係なく垂れ流しになるため排泄しきるまでおむつ生活に。合わせて腹痛、脱水症状なども起こる可能性がある上、皮膚から脂が滲み出す皮脂漏症といった状態にもなり得ます。
これが本当に消化吸収できない脂を食べてしまった時の症状です。ラム肉の脂はきちんと消化されているということがわかりますね。

お腹の不調の原因は?

でもジンギスカンを食べると胃もたれする。翌日まで胃が重たい。そう感じる方もいらっしゃいますよね。

それはなぜなのか見ていきましょう。

消化器官の仕組みのせい

先ほど脂は食べても胃では分解されず十二指腸に送られそこで分解されるというお話をしましたが、実はこの十二指腸が脂質の分解のために働いている間、胃は働くことができません。

胃が食べ物を腸へ送り出せずにいるのに食べ物を食べてしまうと、どんどん胃の中に食べ物が溜まっていきます。

この溜まった状態が胃もたれなどの胃の不調の原因になります。

また、脂はそもそも消化吸収に時間がかかります。それもまた胃に食べ物を留めてしまう原因になり得ます。

アルコールのせい①

ジンギスカンを食べるときはビールで!という方も少なくないと思います。

記事序盤で軽く触れましたが、「ジンギスカンとビールの組み合わせは良くない!」という意見がちらほら散見されます。

この組み合わせがよくない!というより、アルコールが持つ要素自体が胃に負担をかけているという方が正しいでしょう。

アルコールを飲み過ぎると胃の粘膜を壊してしまったり、ご存じの通り肝臓に負担をかけてしまったりします。

胃の粘膜が壊れるともちろん胃に負担がかかり、消化・腸への運搬が遅れて胃に食べ物が留まります。

また、肝臓は前述の胆汁を合成・分泌していますので、脂質の分解を遅らせてしまい、やはり胃に食べ物が留まり…と悪循環。

アルコールのせい②

ここではアルコールの温度についてのお話です。

胃腸が活発に動くことのできる温度は37℃前後と言われています。

キンキンに冷えたビールは5℃程度。胃を冷やしてしまうのは間違いないですね。

温度が下がると胃の動きは悪くなりますので、言わずもがな胃の不調に繋がります。

「脂の固まりやすいジンギスカンと冷えたビールは相性最悪!胃の中で固まって大変なことに!」というご意見。

これまでのお話を聞いていると確かに固まってしまいそう…とお思いになるかもしれません。

しかし考えてみてください。5℃の液体が流れ込んできて固まらない脂なんてありましたか?

確かに口から食道を通って多少温度は上がるかもしれませんが、お肉の中でも比較的融点の低い鶏肉でさえ30〜32℃を下回ると固まります。

そう、キンキンの飲み物を飲むとどんなお肉でも同様の結果になるのです。ラムだけが特別相性が悪いわけではありません。

そして脂の消化において重要なのは酵素。固まるからといってさして問題はありません。

胃を気遣うなら組み合わせよりも胃に負担をかける要素はなんなのかをよく考え、食事に気を使うことが大切です。

まとめ

ジンギスカンの脂はお腹で固まる!ビールとの相性は最悪!という噂は間違いで、あくまで
「ラムの脂は融点が高い」
「脂は消化に時間がかかり胃に負担をかけてしまう」
「冷たい飲み物や食べ物は胃の活動を弱まらせる」
という事実が組み合わさった結果生まれたものであるということがご理解いただけたかと思います。

どんな食べ物にも共通して言えることですが、食べ過ぎ、飲み過ぎ、脂の摂りすぎ、お酒の飲み過ぎは胃に負担がかかります。

安心して適度に美味しくジンギスカンを、引いては食事を楽しんでくださいね。

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この記事を書いた人

生ラム本舗のWEB担当です。札幌でジンギスカン屋を初めて6年目になります。
観光客はもちろん知らない、観光ガイドになんて絶対に載らない、札幌市民でも用事がなければ絶対に来ない街、【澄川】と言うローカルな街で、地元民に愛される穴場のジンギスカン店を経営しております。

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